残業代請求の内容証明が届いた場合の対応

残業代請求の内容証明が届いた場合の対応社長のための残業代対策119番従業員が退職した後、残業代の支払いを求める書面が会社に届いた。

残業代請求は、まずは内容証明郵便で行われることが多いです。それは、請求することによって時効の進行を止める効果があるため、書面が届いたこととその内容を確実に証明できる内容証明郵便(多くは配達証明も併用)が利用されるのです。

送られてくる内容証明は、「○○円の残業代が未払いであるから○○までに支払え」という内容が一般的です。支払期限については、内容証明到着後1週間から10日程度と指定されていることが多くなっています。

内容証明は予告なく突然届くことが多いことから、届いたこと自体に驚いてしまい、さらに、間近な支払期限が定められていることから、慌ててしまう方も多いと思います。特に、弁護士名などが書かれている場合、支払わないとすぐ訴訟を起こされてしまうのではないかと心配していまうかもしれません。

しかし、ここで重要なことは、慌てる必要はまったくないということです。

必ず指定された期限までに支払うか否かの結論を出さなければならないわけではありません。まずは、慌てることなく落ち着いて書いてある内容を確認し、対策を考えることが重要です。

確認すべき事項は以下のような点です。

  1. 通知人が現在も働いているか、もう退職しているか。
  2. 代理人がついているか、ついている場合はどのような事務所の弁護士か。
  3. 請求内容、請求額、支払期限
  4. 他の従業員に与える影響の有無

インターネット上にある定型的な書式を用いて請求する例もないではありませんが、内容証明郵便は意外に書き手の個性があらわれるものです。弁護士に相談して内容を吟味した上で、対応を検討することも一つの方法です。

何の反応もせずに内容証明をそのまま放っておくと、労働基準監督署へ申告されるなどの危険もあるので、指定された期限までに回答が難しい場合には、「現在、事実関係を確認中なので、おって回答する」との書面を送っておくことをお勧めします。

2013年5月14日