金融商品取引法の概要

金融商品取引法について発表する機会を得たので、ざっくりですが書いてみようと思います。

金融商品取引法の概要

金融商品取引法は、主に国債や株式などの有価証券についてのルールを定めています。元々は証券取引法という法律でしたが、ファンドなどの新しい金融商品が出てきたり、日本市場の公平性や透明性を高めて国際市場としての魅力アップを図るなどのため、平成18年に金融商品取引法として生まれ変わり、翌19年から施行されています。

この法律の柱は、以下の4つです。

①投資判断のための情報開示

会社の概要や業績などが書かれた有価証券報告書などを見て、どの会社に投資するか決めるための情報開示のルール

②金融商品を扱う業者に対する規制

金融商品の勧誘や販売をする際のルール

③取引所の規制

東証やJASDAQなどの取引所に関するルール

④不正行為の規制

インサイダー取引や株価人為的操作などの禁止

 

ライブドアや村上ファンドの事件は記憶に新しいかもしれませんが、世の中の流れとして、貯蓄から投資へと動いている今、自己責任の原則が根底にある金融市場におけるルールを知っておくことは大切だと思われます。

関連リンク

金融商品取引法の概要については、金融庁のホームページにも載っています。

ストレスチェック制度のポイント

労働安全衛生法が改正され、2015年12月から、従業員が50人以上いる事業所では、毎年1回ストレスチェックを実施することが義務付けられました。

今回は、このストレスチェック制度のポイント を紹介します。
なお、厚労省のサイト導入マニュアルもありますので参考にしてみてください。

ストレスチェックとは

「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問(選択式)に従業員が回答し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。

その目的は、精神障害による労災が増えていることを受け、従業員が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように気を付けたり、高いストレス状態の場合は医者と面接してアドバイスをもらったり、会社に職場環境の改善をしてもらうことで、「うつ」などの精神的な不調を未然に防ぐことにあります。

5つのポイント

ストレスチェック制度のポイントは主に5つです。

①会社自身ではなく、医師や保健師などが実施する
ストレスチェックを実施する(実施者といいます)のは、会社自身ではなく、医師や保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保険福祉士の中から選びます。
通常は産業医などが想定されていますが、外部委託も可能です。

②3つの種類の質問が含まれている必要がある

ストレスチェックの質問票には、「仕事のストレスの原因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」に関する質問が含まれている必要があります。
質問票の指定は特にありませんが、何を使えばよいか分からない場合は、国が推奨する57項目の質問票というものもあります。
なお、今後厚労省が、オンラインでのストレスチェック実施プログラムを無料で公開する予定とのことです。

③結果は実施者から直接本人に通知、会社は本人の同意なしに結果を入手してはだめ

この制度は、会社が高いストレスを抱えている従業員をあぶり出すためのものではありませんし、従業員としても勝手に会社に見られるとなると、本音で回答しずらいですね。

④会社は医者の面接指導や適切な措置をしないといけない場合も

ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された従業員から会社に申し出があった場合、会社は医者による面接指導をしなければいけません。
逆に、従業員から申し出がなければ、面接指導を無理に実施することはできません。
面接指導の結果、会社は医者の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の変更、職場の変更、労働時間の短縮などの適切な措置を講じなければなりません。

また、実施者はストレスチェックの結果を職場ごとに分析し、それを受けて会社は、職場環境を改善することに努めなければいけません。

⑤従業員に対する不利益取扱いの禁止

面接指導の申出を理由として従業員に不利益取扱いを行うことは法律上禁止されます。
ほかに、ストレスチェックを受けないこと、会社への結果の提供に同意しないこと、高ストレスと評価されたのに面接指導を申し出ないことを理由とした不利益な取扱いや、面接指導の結果を理由とした解雇、雇止め、退職勧奨、不当な転勤なども行ってはいけません。

中小企業の場合は

事業所の従業員が50人に満たない中小企業の場合、ストレスチェックの実施は法的な義務ではなく努力義務ですが、職場環境を改善し、業績アップにつなげるためにもやってみる価値はあると思います。

その場合、産業医はいない会社が多く外部委託ということになりますが、全国労働衛生団体連合会が実施しているストレスチェックサービスというのがあります。
料金は一人あたり600円と高くないので、定期健康診断と併せて実施してみるのも良いかもしれません。

司法修習生向け犯罪被害者支援研修の指導担当を務めました

2日間にわたり、司法修習生向け犯罪被害者支援に関する研修の指導担当を務めました。

司法修習生は、司法試験に合格して約1年間の研修(司法修習といいます)を受ける法曹の卵です。
今回、東京の修習生向け犯罪被害者支援に関するプログラムの指導担当の一人として携わる機会がありました。

初日午前は、ある事件の被害者遺族の方のお話し、午後は被害者支援都民センターの見学と講義。
2日目午前は、被害者参加制度・損害賠償命令制度の講義、午後は被害者からの法律相談のロールプレイ。

私はこのロールプレイの指導を主に担当しました。修習生が相談者役、現役の弁護士が弁護士役として、架空の事例を元に法律相談を行うというものです。

修習生たちは積極的に取り組んでいましたが、講義などで弁護士の言葉による二次被害が少なくないことを学んでいたからか、「これを聞いて良いのだろうか」「どう答えたら良いのだろう」と考え過ぎてしまい、固まってしまうような場面も見られました。

被害者の気持ちと同じ気持ちになることはできません。なぜなら、その被害に遭ったのは被害者や遺族であって、私たちはその被害に遭っていないからです。
でも私は、その気持ちにできるだけ寄り添えればという気持ちで、話を聞くようにしています。
同じ気持ちになることはできないけれど、できるだけ近づこうとすることはできます。

その姿勢があれば、相手が言われて嫌なこと、どういう言葉を使えば相手に伝わりやすいかということは分かってくるのではないかと思います。ましてや、「お気持ちは分かります。」という言葉は出てこないはずです。

法律相談にマニュアルはありません。法律のプロとして、法律や制度の知識があることは大前提で、あとは人対人のコミュニケーションなのではないかと思います。

法律の専門家として、また人としての成長のため、これからも研鑽を積まなければと私自身も再認識する機会になりました。