弁護士のマスコミ対応 ( 清原元選手覚せい剤 所持事件を題材として)

清原元選手覚せい剤 所持の容疑で逮捕のニュース

元プロ野球選手の清原和博氏といえば西武や巨人で活躍したスーパースターで知らない人はいないといっても過言ではないと思います。清原元選手覚せい剤 所持の容疑で逮捕のニュースは日本中で大騒ぎになりましたが、そんな中、弁護士業界でもちょっとした騒ぎになった出来事がありましたので、紹介します。

弁護士のマスコミ対応 ?

清原元選手逮捕のニュースが出たあとの2月3日0:17、アトム法律事務所代表の岡野弁護士がTwitterで、

「清原和博選手の覚せい剤(覚醒剤)取締法違反の逮捕に関するテレビ取材については、朝10時よりアトム法律事務所新宿支部、同大阪支部で対応可能です。取材希望のマスコミの方は下記までお電話ください。24時間体制で受付対応しています。」

→ http://www.atombengo.com」
ツイートしました。
それを受けて、ネット上ではアトム法律事務所の弁護士が清原元選手の弁護人になったという書き込みが見られました。

マスコミで大きく報道される事件の場合、一般的に弁護士のマスコミ対応 はよく行われます。
私自身も、消費者被害の弁護団事件や多くの犠牲者が出た食中毒の事件などで、代理人として記者会見や取材対応を行ったことがありますが、それは、不正確な情報やデマが流されないように、窓口を一本化して正確な情報を開示する等の目的があります。

実際は弁護人ではなかった

新潟県弁護士会の高島章弁護士が、2月3日にアトム法律事務所に問い合わせたところ、「清原選手の事件について、アトム事務所の弁護士が弁護人を受任したものではない。」旨の回答があったとのことで、実際は弁護人ではなかったことが判明しました。

上記岡野弁護士のツイートを一般の人が見た場合、清原元選手がアトム法律事務所の弁護士に事件の依頼をしたと思うするのは自然なことでしょう。
その意味で上記ツイートは、「清原元選手が依頼した法律事務所」という誤解を与える広告のようなものだったのではないかと思ってしまいます。

なお、2月4日10:23にアップされた同法律事務所のブログでは、
※注意※ 弊所は清原和博氏の弁護人が所属する事務所ではありません。」と記載されています。

※「私選刑事事件の弁護士費用 広告の問題点」についての記事はこちらをご覧ください。

 

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消化器リース 事件の勝訴判決について報告しました

消費者問題リレー報告会

2016年1月30日、消費者法ニュース主催の「第21回消費者問題リレー報告会」が行われ、私も報告者として参加しました。
消費者問題リレー報告会は、毎年1回、全国から学者や弁護士、消費生活センター相談員などが200名ほど集まり、立法・制度政策関係、事件・研究報告など最先端の報告が行われる消費者問題に関する一大イベントです。

消化器リース 事件

今回私は、「クレジット・リース被害対策弁護団」の中に設置された「ナマズ消火器被害弁護団」の一員として、私が主任で担当した事件につき2016年1月29日に東京地裁で出された勝訴判決について報告しました。

消化器リース 事件は、主に高齢者を狙った消化器の訪問販売被害で、東京都も2014年7月に「緊急消費者被害情報」を出しています。

今回の判決は、消火器業者の組織的な契約勧誘行為、契約締結及びその後の一連の行為は社会的相当性を逸脱する違法なものとして、被害者に対する関係で不法行為を構成するとした上で、リース契約は法的拘束力を付与することが相当でないものとして公序良俗に反し無効と判断し、全面勝訴となりました。

今回の裁判の当事者となっている被害者は1名ですが、弁護団では集団訴訟も行っていて、今回の判決は集団訴訟にも良い影響があると考えています。