有価証券報告書の読み方と企業分析

有価証券報告書の読み方と企業分析についての勉強会に参加しました。

有価証券報告書とは、金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業の概況や事業内容、財務諸表などが記載されている外部への開示資料です。

有価証券報告書に虚偽記載をした場合は罰則や上場廃止となる可能性があるため、この書類に記されている企業情報は、信憑性が高いといえます。

有価証券報告書には、その会社の企業活動の具体的な経過や成果、さらには将来の事業計画が書かれているため、単年度の会社の状況を切り取った決算書を見るよりも、会社の過去、現在、未来が分かります。

また、有価証券報告書には、その会社がどのような企業グループを形成しているか、従業員の状況、会社内部の事業分野別の営業成績まで書かれています。

さらには、同じ業界の会社の有価証券報告書を読み比べることで、業界全体の共通の課題などを把握することもできます。

有価証券報告書を分析することにより、様々な経済の動きがその会社に与える影響や業界特有の問題点を踏まえたアドバイスに役立てることでき、より会社に寄り添い、共に良くしていくお手伝いが可能になると感じました。
今後の実務に活かせる非常に有意義な勉強会でした。

 

 

 

 

 

労務リスク対策

社労士の方が講師の勉強会に参加しました。テーマは「労務リスク対策」。

労基署等で行われている総合労働相談への相談件数は、1年間で約100万件と非常に多くなっています。相談内容は、いじめ・嫌がらせがトップで次が解雇。

今回は、社労士の方が関わった具体的な事例を題材に、会社としてどのような問題点があったのか、どう対処したのか、そしてリスクを減らすにはどうすれば良いかを中心にお話しいただきました。

中でも印象的だったのは、トラブルが起きるケースは必ず感情的なもつれがある、労務管理は人対人の部分が大きいので、日頃のコミュニケーションが非常に重要という点です。
労務関係のルールや基準については、労働基準法を中心に法律で決められている部分が多いので、法律に従ってある程度ドライに決めておけば足りると思われがちですが、やはりどのような場面でもそうですが、人と人との関係が重要ということです。

中小企業では、労務リスクについて対策を講じていない会社も多く、いったんトラブルになると痛い目に遭うケースも多いです。
社員とのコミュニケーション向上も含めて、労務について普段から専門家に相談しておくことで、リスクの軽減が図れると思います。

 

中小企業専門家育成講座(第三者承継の基礎)

私が所属する弁護士業務改革委員会中小企業部会による中小企業専門家育成講座が始まりました。今回は「第三者承継の基礎」。講師は池内稚利弁護士でした。

中小企業経営者の高齢化が進む中、少子化等の影響から、親族内で後継者を確保することが難しくなってきており、M&A等による事業承継の必要性が高まっています。

中小企業庁も、今年4月に「事業引継ぎガイドライン」を策定する等、政策として力を入れている分野です。

今回の講義は、中小企業におけるM&Aのニーズの高まりを受けて、弁護士が関わる際の基本的な知識と注意点を学ぶことがメインでした。

中小企業のM&Aでは、会社と経営者の資産が明確に区別されていない等の中小企業特有の問題点が顕在化することがあるため、注意が必要です。

これまでは、売り手と買い手のマッチングに仲介業者が入るケースが多く、弁護士が関与するケースは多くはありませんでしたが、譲渡後のトラブルを防止する意味においても、弁護士が法務面の調査だけでなく、アドバイザーとしての役割を果たすことが求められているといえます。