調停人養成講座

私も所属している日本仲裁人協会主催の調停人養成講座入門編を受講しました。講師は、元裁判官で家庭裁判所の事件を多く取り扱ってきた上原裕之弁護士でした。

タイトルは「調停における臨床力」。

当事者のニーズを見つける、当事者の思いや気持ちを受けとめ、問題を共有してともに悩んでいく、知識やマニュアルは頭を使わない、当事者と共同作業しながら問題を乗り越えていくための方策を考える、などなど盛りだくさんの内容でした。

法律家は知識があることで、目の前のケースについて、法律だとこうなるとか、裁判になるとこういう判断になるというある程度の予測から、調停の場でもその結論に導こうとしてしまいがち。それでは、当事者が納得する実のある話し合いはできないと思います。

私は家裁等での調停委員の経験はありませんが、調停の申立代理人になることはあります。個人的な感想ですが、これまで出会った調停委員で、「素晴らしい調停委員だな」と思った人は今のところいません笑。中には、話をきちんと聞いてくれてないと感じてしまう人もいます。

対立する当事者双方の話を聞き、解決の糸口を探していく調停人の仕事は、苦労することも多いだろうなと感じています。

今回、この講座を受講したのは、私が事件管理者として携わっている立教大学観光ADRの職務に役立てばということと、将来機会があれば調停委員をやることも少し考えているからです。

今日の上原弁護士の話は、小手先のテクニックではなく、調停人としてのマインドや姿勢について、基本的かつ重要な事柄でしたので、大変勉強になりました。

なお、上原弁護士によると、「知識はいったん記憶した上で、その後無意識化させるのがよい。したがって、本日の話も忘れることが望ましい。」とのことです笑。

 

 

犯罪被害者支援弁護士フォーラムシンポジウム

犯罪被害者支援弁護士フォーラムのシンポジウム無事に終了しました。
会場は日比谷図書文化館大ホールでしたが、立見の方も出るほど大盛況となりました。

上川陽子法務大臣の祝辞から始まり、被害者遺族の方らによる基調講演、パネルディスカッションと盛りだくさんの内容でした。

今回のテーマは「裁判員裁判の問題」で、遺体写真を証拠として採用しない裁判所の運用についての問題と裁判員裁判の死刑判決が高裁で破棄され、最高裁も高裁の判断を支持した問題を扱いました。

遺体写真の証拠制限については、写真の証拠としての価値、立証趣旨との関係で写真を取り調べる必要性、裁判員の精神的負担への配慮等について議論がなされました。

また、裁判員裁判の死刑判決破棄の問題については、裁判員裁判の意義、死刑判決の基準、計画性の有無による量刑の変化、刑罰の公平性、裁判官だけの裁判時代の先例を重視する不合理性等について意見が交わされました。

会場からも多くの意見が出され、会場が一体となってその問題について考えるという熱い雰囲気の中シンポが進みました。

遺体写真の証拠制限の問題については、裁判員への負担を過度に気にしすぎるあまり、刑事訴訟法の目的である真実発見がないがしろにされていると思います。

また、裁判員裁判での死刑判決が破棄されたことについては、市民感覚を反映することによって司法に対する国民の理解と信頼を深めるという裁判員裁判を導入した意義を否定するものであって、事案の内容を考えても無期懲役の判断は大多数の国民の理解を得られるものではないと考えます。

シンポジウムの司会は初めての経験でしたが、ただしゃべるだけではなく、段取りの重要性や、突発的な出来事に対応する瞬発力が求められることを体感し、良い経験になりました。

税理士・中小企業診断士との勉強会

ご縁もあり、定期的に税理士・中小企業診断士と勉強会を開催しています。

今日は私が講師として、「自己破産」をテーマに発表し、その後、質疑応答、意見交換をしました。自己破産のメリット・デメリット、手続の概要を中心に話しをしました。他士業の方々にとっては、自己破産の手続はあまり馴染みがないこともあり、実務を踏まえた話は興味深く聞いてもらえたかと思います。

会社をより良くしていくには、財務、経営、法務の専門家が連携して、それぞれの専門分野で知恵を出し合うことが重要だと考えています。

それぞれの立場の実務の経験やノウハウを発表し、意見交換できる勉強会は非常に有意義な機会ですので、これからもご縁に感謝しながら、続けていきたいと思います。