私が所属する弁護士業務改革委員会中小企業部会による中小企業専門家育成講座が始まりました。今回は「第三者承継の基礎」。講師は池内稚利弁護士でした。
中小企業経営者の高齢化が進む中、少子化等の影響から、親族内で後継者を確保することが難しくなってきており、M&A等による事業承継の必要性が高まっています。
中小企業庁も、今年4月に「事業引継ぎガイドライン」を策定する等、政策として力を入れている分野です。
今回の講義は、中小企業におけるM&Aのニーズの高まりを受けて、弁護士が関わる際の基本的な知識と注意点を学ぶことがメインでした。
中小企業のM&Aでは、会社と経営者の資産が明確に区別されていない等の中小企業特有の問題点が顕在化することがあるため、注意が必要です。
これまでは、売り手と買い手のマッチングに仲介業者が入るケースが多く、弁護士が関与するケースは多くはありませんでしたが、譲渡後のトラブルを防止する意味においても、弁護士が法務面の調査だけでなく、アドバイザーとしての役割を果たすことが求められているといえます。