14 会社資産を除く事業のみの譲渡

14 会社資産を除く事業のみの譲渡事業承継119番後継者が十分な資金を調達できない場合には、SPC方式のMBO・EBOが有力な選択肢ですが、キャッシュ・フローが不十分な場合や、上場やM&Aを出口とするスキームが好ましくない場合には、段階的な承継も検討してみるべきでしょう。

以下のスキームに従って会社資産を除く事業のみを譲渡し、その後段階的に事業用資産を移転することにより、役員・従業員に対する事業譲渡が可能となる場合があります。

スキーム

以下の手順で段階的に会社を後継者に引き継いでいきます。

  1. 後継者が新会社を設立する。
  2. 旧会社から新会社に対して事業のみの譲渡契約をする。
  3. 旧会社と新会社との間で事業用資産の賃貸借契約を締結する。
  4. 新会社は、折を見て旧会社から事業用資産を買い取る。

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事業のみの譲渡契約をした後、旧会社は資産管理会社として存続します。
先代経営者は、旧会社が新会社に事業用資産を譲渡するまでの間、旧会社の役員として収入を得ることができます。

注意点

譲渡代金の設定を慎重に行う必要があります。

旧会社の事業収入が新会社からの賃料のみになりますので、旧会社債権者の理解が得られるかを慎重に検討する必要があります。

事業のみの譲渡契約が「事業の重要な一部」に該当するか否か微妙ですが、株主総会の特別決議を経ておくべきでしょう。

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