賃料増減額請求排除の特約

賃料増減額請求排除の特約賃料適正化研究会

賃料増減額請求

賃料の増減額については、法律上、貸主、借主のどちらからでも請求できることとされています。

特約

この点、賃貸借契約期間中の賃料の変動を望まない当事者もいるはずで(特に事業者の賃貸人にこの傾向は強い場合が多いです)、その場合、賃料の増減額について当事者間で特約をすることが考えられます。

増額しない旨の特約と減額しない旨の特約

ところが、借地借家法は、賃料を増額しない旨の特約は有効とする一方、賃料を減額しない旨の特約は賃借人に不利な特約として無効としています。

ですので、たとえば「賃貸借契約期間中、賃料増減額は行わない」と特約条項を入れたとしても、賃料増額しないとの部分のみ有効で、賃料減額しないとの部分は無効となってしまい、賃貸人は特約条項があることで賃料増額ができない一方、特約条項があるにもかかわらず賃借人は賃料減額請求ができることになってしまいますので注意が必要です。

借地借家法の改正
定期借家契約

実務上の要請として、特に不動産ファンドなどが収益不動産の利回り等を決める際、将来に向かって賃料が減額されることはできるだけ排除したいと考えることがあります。

そこで、このようなニーズを満たすために、定期借家契約に限って賃料減額請求権を排除できるとの借地借家法の改正が平成12年改正で盛り込まれました。

定期借地契約

賃料減額請求を排除することができるのは定期借家契約に限ったことで、定期「借地」契約においてはそのような定めがないのは注意を要するところです。