平成26年度第6回勉強会(実務における 判例調査 ―判例をどう評価,利用するか)を開催しました。

平成26年度第6回勉強会(実務における 判例調査 ―判例をどう評価,利用するか)を開催しました。新時代のプロフェッションを目指す会テーマは「実務における 判例調査 ―判例をどう評価,利用するか」で,高澤文俊会員が発表しました。

主要な参考文献は以下の二点です。

判例は,法律実務を支配していますが,判例そのものについて研究した本はあまり多くありません。上記二点の文献は必須文献といってよいでしょう。

判例理論とは,裁判例の集積の中から,法律実務家と研究者の共同作業によって理論化されたもので,その拘束力にも強弱もあります。

中野前掲書・25頁によれば、判例の拘束力を強弱を区別する基準には以下のようなものがあります。

  1. 確定判例か,一回限りか,最近のものか,かなり以前のものか。
  2. 大法廷か,小法廷か,他の小法廷は同じ判断をしているか。
  3. 少数意見があるか,その内容はどのようなものか。
  4. 学者・実務家の反対の有無,程度
  5. 明示的に論点とされた点についての判断か。
  6. 他の判例と整合するか。

強い判例と弱い判例の区別を意識して判例を評価する方法について,実例を挙げて説明がなされ,その後会員同士で意見の交換をしました。