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平成28年度第1回勉強会(経済犯罪と会計原則)を開催しました。

平成28年度第1回勉強会を開催しました。

テーマは「経済犯罪と会計学」で,講師は高澤文俊会員です。

今回は会計学がテーマとなっているので,知人の税理士の先生にも参加していただきました。

講師から,金融商品取引法の有価証券報告書虚偽記載罪の概要,問題となった事案の概要と争点について説明があり,各争点について意見を交換しました。

いわゆる「粉飾決算」と呼ばれるもので,違法な粉飾決算であるとは思っていなかったという弁解が述べられることが多いのですが,その多くは違法性の意識をなかったが,違法性の基となる会計事実は認識していたとという主張にすぎず,実質は否認事件ではなく自白事件というものも多いのが特徴です。

古い諺に「法の不知は許さず」(ignorantia juris neminem excusat)というものがあります。個々の法律を知らないと言い訳すれば処罰できないとなると,処罰できるのは法律の専門家だけというおかしなことになってしまうので,当然のこととも言えます。

個々の会計処理を別々に検討すると,妥当だという場合でも,スキーム全体を検討すると,その動機,目的・構造からして違法であることが明らかであるという場合も多いのも特徴です。

経営者との信頼関係の構築の重要性など多様な意見が飛び交い,活発な議論がなされました。